
高知県にかつおくんはいました。
桂浜で
やわらかな やわらかな 波の音を聞いている時でした。
かつおくんは 一人の青年を見つけました。
そして、
「どういたが?」と声をかけました。
青年は 一瞬 おどろいたように見えました。
しかし すぐに 不思議な雰囲気を持つかつおくんにうちとけ
こんな はなしを はじめました。
「今までの人生 努力をしなくても上手くいってきたんだ。
それなのに・・・東京から高知に飛ばされちゃったんだよね。
こんな田舎でどうしろっていうんだよ。
失敗つづきだし なんだか 自信をなくしちゃってさ。
僕は勉強はできるんだけど どこに行っても 人と あまり うまく 付き合えなくて。
エリートと思ってたのは 経歴だけで
ぼく自身は 〈けっかんにんげん〉なのかな・・・」
かつおくんは 青年の話を じっと黙って 聞いていました。
そして やさしく やさしく 青年にほほえみ
こう いいました。
「おまんは えい子よね。
ただ 大切なことを 知らんだけ 教えられてきてないだけながよね。
安心しいや
かつおくんが おしえちゃおき!」
そして つづけて
「青年よ おまんがこまっちゅうことを ゆうてみいや」
と また やさしく ほほえみました。
この日 かつおくんと青年は たくさん たくさん 話をしました。
こんなにもだれかと腹をわって話をしたのは
青年にとって初めてのことでした。
その日のおわり かつおくんは青年に向かっていいました。
「青年よ 今年の夏は こじゃんと素敵な夏になるぜよ」
この日から かつおくんのお手伝いがはじまりました。